白は永遠ではない

白い服が好きだけど、白い服を白いまま着続けられるほど丁寧な暮らしをしていない、


ため、夏の生活を経て続々と黄ばみはじめる白い服たちをひと思いにクリーンアップするべく衣類用ハイターを購入した。これだけで私にしてみれば大きな譲歩である。白い服を白くする用途を叶えるためだけにこんなクソデカいボトルの液体を家に迎え入れること、大変に許し難い。保管場所が無い。
が、ともあれ、買ったのだ。あとはやるだけ、やれば終わる、と唱えて、風呂に水を溜め、服を投げ込み、ハイターをブチ込んだ。


そしたら白い服がピンクになった。

え、しんど。

がんばって生きてるのに、こんなにも報われないの?もう全部しんどい、という気持ちになって、それでも踏ん張って起き上がり、原因を調べた私を讃えたい。


「ハイター ピンク」ぐらいの雑な検索ですぐにヒットするくらいよくあることだったらしいけれども、要は、服に付着した日焼け止めの成分が漂白剤と反応して変色するということらしかった。それを落とすためには、濃縮系液体洗剤(アタックZEROとか)を変色部にふりかけて10分つけおき→もみ洗いをせよ、とのことだった。


あの、



”””””そういうこと”””””をしたくないから風呂でハイターにブチ込んだんよ、そういう部分洗い的な(めったに出番のない)洗剤は買いたくないし、つけおきする洗面器的な容器もマジでひとっっっつも無いしこの家に絶対に持ち込みたくない。どうしよう。すみません。


生きづれえな。でも、よぶんなモノを極力排した部屋で、好きで必要な本と紙と筆記描画用具だけを無限に増やして、生活をやるのは、あんがい楽で幸福。ずっと自分軸がなくて誰かの真似ばかりして承認欲求をごまかしてきたけれど、30代も後半になってようやく心地よいありかたをつかみかけている。だからたぶん白い服を白いまま着続けることはできないということになった。良いものを手入れして長く使う系の生活は無理だということになった。好きな白い服はとことん着倒してまた同じものを買おう。おとななのでどうやっていくかを自分で決められる。嬉しいな。誰にも怒られないよ。